事 務 連 絡 平成29年5月29日
都道府県
各 指定都市 社会福祉法人担当課(室)御中 中 核 市
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課
新たな貸付制度の会計処理に関する基本的な考え方について
社会福祉法人の会計処理については、社会福祉法人会計基準(平成 28 年厚生労働省令 第 79 号)(以下「会計基準」という。)に基づき、行われることとなりますが、当省の事 業として、社会福祉協議会等(以下「社協等」という。)が行う各種貸付金事業(介護福 祉士修学資金等貸付事業、保育士修学資金貸付等事業、ひとり親家庭高等職業訓練促進資 金貸付事業、児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業)に関する会計処理に ついては、事業の性格及びこれまでの社協等における経理処理を考慮し、当面の間、下記 のとおり取扱うこととする。
また、詳細については、別添のとおり社会福祉法人全国社会福祉協議会から新たな貸付 制度の会計処理に関する基本的考え方が示されたことから、関係機関に対しこの基本的考 え方に沿った会計処理を実施するよう周知願います。
なお、本取扱いについては、原則平成 28 年度決算より実施することとするが、会計処 理を円滑に進めるに当たって支障をきたす場合は、平成 29 年度補正予算において所要の勘 定科目の変更を行い、平成 29 年度決算より実施することも差し支えないものとする。
記
各種貸付金事業にかかる補助金の受け入れについては、会計基準第6 条第2 項に定 める「国庫補助金等特別積立金」として計上するとともに、中区分として、通常の施 設及び設備の整備にかかる補助金としての「国庫補助金等特別積立金」とは区分し、「国 庫補助金等特別積立金(○○貸付)」として計上すること。
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新たな貸付制度の会計処理に関する基本的な考え方について
平成 29 年 5 月 26 日 全社協民生部
1.会計処理における基本的考え方
○ 新たな貸付事業は、都道府県社協の本体会計の一部として処理するものであるこ とから、基本的に社会福祉法人会計基準に即して処理する。
〇 ただし、貸付原資が全額公費(補助金)であり、その総額が一定規模であること。 また単年度で費消されるものではなく、貸付、償還、免除の一連の処理が一定期間 にわたり継続すること等を勘案し、以下の考え方を示すものとする。
2.会計処理に関する留意事項
(1)会計の区分について
① 本貸付事業は、厚生労働省が「公益事業」に該当する旨を示していることから、 都道府県社協の本体会計の「公益事業区分」に貸付金の種類ごとにサービス区分を 設定することとする。
② サービス区分は、貸付金種類(実施要綱)を単位に設定することとし、実施要綱 に記載された貸付金の名称を付した区分とする。
(サービス区分一覧)
介護福祉士修学資金等貸付事業 保育士修学資金貸付等事業
ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業
③ 各貸付金事業の「実施要綱」において、複数の貸付資金の種類が設けられている 場合(例:介護福祉士就学資金等貸付事業では、「介護福祉士修学資金」、「介護福祉 士実務者研修受講資金」、「離職した介護人材の再就職準備金」、「社会福祉士就学資 金」の 4 種類)には、「貸付金(支出)」や「償還金収入」等の科目に、資金種類ご との名称を付した中区分もしくは小区分の科目を設定することで、サービス区分内 で管理する。
(理由)
貸付原資は、これらの資金全体で一元的に交付されていること、また人件費 を含む事務経費を資金種類ごとに按分計上することは困難かつ合理的とは考え られないため。
(別添)
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(2)貸付原資の受け入れ、管理について
① 貸付原資は、複数年にわたって使用するものであること、また社協の他の財産と は明確に分別管理する必要があることから、貸付金制度ごとに預金口座を設定し、 貸付金名称を付して管理する(貸付件数(その総額)に年度の上限がないこと、ま た取り崩して事務費に充当することから流動資産として設定する)。
② 交付された貸付原資は、複数年にわたって使用するものであり、当該事業に係る 国および地方自治体からの拠出金の性格を有することから、事業活動計算書の「特 別増減の部」において受け入れ、貸借対照表の純資産の部に「国庫補助金等特別積 立金」として計上する。
③ 純資産の部に計上する「国庫補助金等特別積立金」は、①毎年度の事務経費(人 件費、事務費、減価償却費)への充当額、②免除要件に基づく償還免除額、につい て、毎年度、サービス活動増減の部において「取崩額」を計上する(これにより毎 年度、残高が減少する)。
(3)貸付金の計上
① 各サービス区分内で複数の貸付資金種類がある場合には、中区分科目として資金 名称を付した「〇〇〇貸付金」を設定し、資金種類ごとの内訳を管理する。
例)
介護福祉士就学資金等貸付事業(サービス区分)の中区分科目 介護福祉士修学資金貸付金
実務者研修受講資金貸付金 再就職準備金貸付金
社会福祉士修学資金貸付金
(4)借受人に償還請求を行うこととなった場合の取り扱い
① 借受人が償還免除要件を満たさず、請求処理を行う場合、毎年度、償還(返還) されるべき額を「未収金」として計上することはせず、償還金が入金された時点で
「償還金収入」を計上する。
(5)延滞利子の取り扱い
① (4)で借受人が償還対象となり、かつ償還期限までに償還が完了しない場合、 延滞利子が発生することとなる。ただし、この延滞利子については未収金として計 上せず、償還があった時点で利子収入として計上するものとする。
(6)指定都市からの委託がある場合の取り扱い
① 「介護福祉士修学資金等貸付事業」および「児童養護施設退所者等に関する自立 支援資金貸付事業」は、実施主体が都道府県のみであるが、「保育士修学資金貸付等
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事業」および「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業」は指定都市も実施主 体となっている。
② 都道府県社協において、指定都市からこれら貸付事業を受託する場合、それぞれ に交付される原資に基づき事業を実施することとなる。この場合、原資、貸付金お よび免除額、償還金について、都道府県分、指定都市分を分別管理し、年度ごとに それぞれに実績報告を行なうことが必要になると考えられる。
③ これらを勘案すると、同一の貸付事業であっても、都道府県分、指定都市分、そ れぞれにサービス区分を設けて管理することが望ましいと考えられる。ただし、貸 付事務にかかる事務費、人件費等に充当する原資の取り崩しは、都道府県の補助金 においてのみ可能とされていることから、指定都市分を含め、事務費、人件費はそ の全額を都道府県分のサービス区分で計上することとなる。
④ 都道府県分、指定都市分を 1 つのサービス区分内で管理する場合には、貸付金、 免除額、償還金、国庫補助金等特別積立金等、それぞれに中区分もしくは小区分科 目を設ける等により、都道府県、指定都市分の残高を管理する必要がある。
※指定都市からの委託がある場合の取り扱いについては、都道府県、指定都市の行 政と確認のうえ、対応を決定することが適当。
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3.仕訳処理について(介護福祉士修学資金等貸付事業を例に特徴的なもの)
①貸付原資の受入(原資交付)
都道府県より、貸付事業の原資を受け入れた。
仕訳1) 原資(補助金)受け入れ
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 特別収益 資産 その他の活動収入
大区分 流動資産 その他の特別収益 流動資産 そ の 他 の 活 動 に よ る 収入
中区分 現金預金 都道府県補助金収益 現金預金 都道府県補助金収入
小区分 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 等 貸 付 事 業 補 助 金 収 益
介 護 福 祉 士 修 学 資 金 等 貸 付 事 業 補 助 金 収 入
仕訳2) 原資(補助金)受け入れに伴う積立金の積立
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 特別費用 純資産
大区分 国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金積立額
国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金
仕訳なし
中区分 国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金積立額(介護修学 貸付)
国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金(介護修学貸付)
小区分
②借入申込者に対する貸付金の送金
介護福祉士修学資金の借受人に、貸付金を送金した。
仕訳) 貸付金を送金
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 資産 事業活動支出 資産
大区分 固定資産
その他の固定資産
流動資産 事業費支出 流動資産
中区分 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 貸付金
現金預金 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 貸付金支出
現金預金
小区分
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③担当職員の給与の支払い
担当職員の〇月分の給与を支払った。
仕訳) 原資から職員給与を支払い
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 サービス活動費用 資産 事業活動支出 資産
大区分 人件費 流動資産 人件費支出 流動資産
中区分 職員給与 現金預金 職員給与支出 現金預金
小区分
注)1 人の職員が、複数の貸付業務を担当している場合には、その人件費は貸付件数 に基づく按分等により、それぞれのサービス区分で計上する。
④貸付業務用の固定資産の購入
貸付業務専用のコンピュータソフトを購入した。
仕訳) 固定資産(ソフトウェア)の購入
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 資産または負債 施設整備等支出 資産または負債
大区分 固定資産
その他の固定資産
流動資産または 流動負債
固定資産取得支出 流動資産または 流動負債 中区分 ソフトウェア 現金預金または
未払金
ソ フ ト ウ ェ ア 取 得 支 出
現金預金または 未払金
小区分
注)耐用年数 1 年以上、かつ取得価額 10 万円以上の器具及び備品、ソフトウェア等 を購入した場合は固定資産に計上する。1台 10 万円以上のパソコンは「器具及び備 品」に該当。
また、固定資産については、毎年度、減価償却費を計上する。
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⑤貸付金の償還免除
介護福祉士修学資金の借受人が、5 年間就業の当然免除要件を満たしたことから、 償還免除を決定した。
仕訳) 償還免除額の計上(当然免除分)
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 サービス活動費用 資産
大区分 事業費 固定資産
その他の固定資産
仕訳なし
中区分 償還免除額 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 貸付金
小区分 当然免除額
注)新たな貸付制度は、生活福祉資金とは異なり、一定期間の就労に基づく償還免除 を前提としていることから、中区分の費用科目に「償還免除額」を設定することが 適当と考えられる。
償還免除については当然免除と裁量免除の 2 種類があり、とくに裁量免除につい ては借受人の死亡、また長期行方不明等による場合も含めることから、小区分科目 として当然免除額と裁量免除額を分けて表示することが望ましい。
⑥借受人からの償還金の入金
免除要件を満たさず、償還請求を行った借受人から償還金が入金された。
仕訳) 償還金の受入
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 資産 資産 事業活動収入
大区分 流動資産 固定資産
その他の固定資産
流動資産 その他の収入
中区分 現金預金 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 貸付金
現金預金 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 償還金収入
小区分
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⑦借受人からの延滞利子の受入
償還期限までに償還を完了できなかった借受人から、償還金に合わせて延滞利子が 入金された。
仕訳) 延滞利子の計上
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 サービス活動収益 資産 事業活動収入
大区分 流動資産 その他の収益 流動資産 その他の収入
中区分 現金預金 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 貸付金利子収益
現金預金 介 護 福 祉 士 修 学 資 金 貸付金利子収入
小区分 延滞利子収益 延滞利子収入
注)新たな貸付事業のうち、「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金」については、連帯 保証人がない場合は有利子となる(1%)。
この場合の貸付金利子受け入れの仕訳は、上記仕訳の貸方中区分及び小区分科目 が以下のとおりとなる。
・事業活動計算書「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金利子収益」
・資金収支計算書「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付金利子収入」
⑧貸付原資に係る預金利息の受入
貸付金口座に、預金利息が入金された。
仕訳) 受取利息の計上
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 サービス活動外収益 資産 事業活動収入
大区分 流動資産 受取利息配当金収益 流動資産 受取利息配当金収入
中区分 現金預金 受取利息配当金収益 現金預金 受取利息配当金収入
小区分
注)貸付原資に係る預金利息については、事務費の一部に充当されるべきものである。 預金利息については、国庫補助金等特別積立金に積み立てる必要はない。
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⑨国庫補助金等特別積立金の取り崩し
当年度中の人件費、事務費、減価償却費、償還免除額に相当する額を原資受入時に 計上した積立金から取り崩し
仕訳) 「国庫補助金等特別積立金」の取り崩し
貸借対照表および事業活動計算書 資金収支計算書および支払資金
借方 貸方 借方 貸方
区分 純資産 サービス活動費用
大区分 国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金
国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金取崩額
仕訳なし
中区分 国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金(介護修学貸付)
国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立金取崩額(介護修学 貸付)
小区分
注)
① 国庫補助金等特別積立金の取り崩しについては、毎年度のそれぞれの費用の 額が固まった後、期末処理として計上することで問題ない。
② とくに、コンピュータソフト等の固定資産については、その取得時には国庫 補助金等特別積立金の取り崩しを行わないことから、毎年度、減価償却費に相 当する額の取り崩しを行うことに留意する。
③ なお、償還免除額については、当然免除額、裁量免除額の合計額を国庫補助 金等特別積立金から取り崩すものとする。
※ 以上は、新たな貸付事業の性格に基づき、特徴的な仕訳例を示したものである。